公益社団法人敦賀青年会議所2023年度理事長所信 スローガン やればできる 第64代理事長 畠 準史

やればできる。
本気でやれば、きっと未来は明るくなる。
素晴らしい仲間と共に、未来のためにやるしかない。

はじめに

青年会議所は、言うまでもなく明るい豊かな社会の実現に向けて活動する団体です。そのために社会の課題を解決し持続可能な地域を創ることを目指しています。そして、有難いことに社会の課題解決に取り組むための仕組みが構築されています。その仕組みは決して難しいものではありません。青年世代と呼ばれる我々が、単年度制という短い期間の中で自身を成長させ、未来に向けてどうすればより良い社会となり持続可能な地域を創ることができるのかを考え自ら機会を創出していく仕組みです。社会を変化させることと私達の成長が密接に関係していることをここで改めて認識する必要があります。敦賀青年会議所に所属する私達はその仕組みを存分に活用して地域が抱える課題の解決に取り組まなければなりません。市民に寄り添い、住み暮らすつるがのまちの発展に寄与すべく汗を流すのです。そしてなにより私達には素晴らしい仲間がいます。皆、社会経済活動の中でリーダーとして活躍し、数々の失敗や成功を繰り返していることで独自の価値観や経験、視点を持ち合わせています。その個性をぶつけ合い、共に成長していきましょう。
時代は常に変化し、青年会議所の運動はそれに呼応しなければなりません。敦賀青年会議所は62年もの間、常に変化に対応し運動を展開してきました。先輩諸兄から受け継がれてきた偉大な歴史と情熱を絶やすことなく、これからも社会をより良くするために、まだまだ私達にはできることがあるはずです。
明るい未来を思い描き、やるしかありません。

本気で社会を変えるために

2020年の初めから新型コロナウィルス感染症によって社会が一変しました。第6波第7波と感染拡大を繰り返しており未だに日常生活に暗い影を落としています。加えて世界情勢も不安定であり、ロシアによるウクライナ侵攻やエネルギー問題、経済格差など様々な社会問題を抱えています。日本国内においても、北朝鮮から幾度となく弾道ミサイルが発射され対岸の火事とは思えない状況であり、また、気候変動の影響により各地で災害にも見舞われ甚大な被害を及ぼしています。敦賀市においても少子高齢化や人口減少、基幹産業であった原子力発電所の長期運転停止など数え上げれば切りが無く一体どこに明るい話題があるのだろうかと、どこか諦めに似た感情を抱いてしまいます。しかし、これまでも社会問題が無い時代などありませんでした。その時代時代を生きた先人たちも地域を愛し、地域の明るい未来を見据えてさまざまな問題を解決し、いくつもの危機を乗り越えてきました。私達はその歴史の上に立って生きています。
全ての危機は機会であると私は考えます。なぜなら敦賀青年会議所に所属する私達は地域の危機に立ち向かうための機会を創造することができるからです。本気で社会を変えるために、まずは私達が先頭に立って社会への影響力を高める人材にならなければなりません。このまちが抱える課題をしっかりと捉え、自ら解決するための機会を創り出しましょう。先にも述べたように、機会によって自らが成長することがまちの発展に対して最大限に効果を発揮します。敦賀のまちの人々が未来への希望を持ち明るく生き生きとした暮らしができるように、地域を愛しまちのために率先して行動する人材を育み、私達だけでなく、まち全体で社会をより良くしていくことができれば、きっと未来は明るくなると信じています。

まちとその未来を担う青少年

10年後の未来を想像したときに、どのような明るい豊かな社会が想像できますか。
想像した未来の形はひとそれぞれ違うと思います。しかし、私達敦賀青年会議所は同じ未来を思い描き活動していかなければなりません。活動の方向性を定め、足並みを揃えることで大きな一歩となり明るい未来に近づくことができるのです。私達には創立60周年という節目を迎えた際に策定した60周年ビジョン「若者が集い夢を描けるまち“つるが”の実現」を掲げており、このビジョンにはこう書かれています。「敦賀が誰もが住みたくなるまちとなり、そこに住む青少年はまちに誇りを持って未来のために行動している」と。このビジョンを共有し、青年会議所ならではの視点でビジョンを実現させていくことが地域の先導者たる私達の使命です。また、まちづくりはひとづくりと言われるように、地域の課題を根本から解決するためには、地域に住む人々が主体的にまちづくりに取り組む必要があります。そこに住む人々の意識が変わらなければまちは変わりません。問題が多様化する現代社会において、地域社会が求めているのは何なのかを私達が率先して見つけ出し、青年会議所流で市民の意識に変化をもたらすのです。市民と共に誰もが住みたくなるまちを創り上げましょう。さらに、まちづくりに取り組むにあたりこれからの未来を生きていく青少年たちの存在は切っても切れません。近い将来、今の青少年たちがまちの未来を担っていきます。次世代の担い手が存在しなければ、次々に生まれる課題を解決し持続可能な地域を創っていくことができません。そして、未来のまちを創っていく人材となるためには、郷土を愛する心と今のまちの現状を知ることが必要になります。自らが住むまちの魅力に気付きその価値を見出すことができれば、大人になる過程において自分もまちを創る一員であるという意識が芽生えていきます。私自身、白木地区という雄大な自然と目の前にある原子力発電施設が混在する非常に小さな集落で生まれ、地域を愛する大人達に育まれてきました。小さなコミュニティながらも常に子供たちの未来のために団結して行動する姿を身近に感じながら育ってきたことで、大人になった今、青年会議所の一員としてまちのために行動することができています。青年会議所の果たすべき役割は責任世代の代表として一人でも多くの青少年が郷土を愛し、まちに誇りを持って未来のために一歩踏み出せるきっかけを創出することです。
私達はまちとその未来を担う青少年に本気で向き合い、このまちに住む人々が未来を創る当事者であるという意識を醸成し、地域を持続可能なものにしていきます。

進化する組織 成長の根源に向き合う

時代とともにまちやひとが変化していくように、青年会議所の組織づくりにおいても変化が求められます。変化に対応し、組織を継続していかなければ社会に必要とされる団体で有り続けることができません。私達には青年経済人として得てきた知見やネットワーク、子育て世代でありながら気力体力に満ち溢れた年齢層で構成されているという強みがあります。この強みを武器に変えると同時に、アンテナの感度を高くして時代の変化をいち早く察知すれば、地域の課題を総合的に捉えることができます。現状に満足することなく、古き良きものを継承しながらも、改善すべきところを見定めて変えていくべきです。そして、組織に変化をもたらすためには、会員個々の成長が必要とされます。私達は青年会議所が掲げる崇高な理想と敦賀青年会議所の独自のビジョンを携え、明るい豊かな社会の実現に向けて活動しています。40歳までという限られた時間のなかで、仕事や家庭とのバランスを保ちながら、自分ではない誰かのために汗を流す尊い存在です。機会を創出し、機会を自ら掴みとることで、社会にとって価値のある活動をしているということを自覚し、まちの未来に対して責任を持つことが成長に繋がるのです。私は、成長の根源にあるべきものとして必要不可欠なのは「おもいはかる心」であると考えます。置かれている状況を察し、身の回りへどういった影響を与えることができるのかを深く考え想像する心を持っていれば、常に自分ではない誰かのために思考を巡らせて行動することができます。他に対して押し付けず、見返りを一切求めず、無条件で奉仕するためにも「おもいはかる心」を養いましょう。一人の人間として精神的に成長することができれば、自ずと技術的な成長も獲得できるはずです。活動歴が長くなると知らず知らずのうちに小手先の技術が身に付き表面的には活動の進め方が上手くなってしまうという罠に陥ります。しかしこれは真の技術的成長とはいえません。心を養いながら一生懸命にやればやるほど真の技術的成長を得られることができるのです。会員全員がこの精神を持って活動していくことで会員同士の絆も深まり必ずや組織の魅力を輝かせることができるはずです。さらに、組織に新しい風を吹かせるにはまだ見ぬ仲間に出会わなければなりません。近年、敦賀青年会議所においても会員数は減少の一途をたどっているのが現状です。青年会議所の特性として年齢制限がありますが、これは組織を若々しく保ち果敢な行動力を維持するためと考えます。卒業していく先輩から渡されたバトンを次世代へと引き継ぐ中で、好循環を生み出すためには、新たな輝く個性が必要なのです。市民の意識変革を起こすためにも、新たな仲間に出会うためにも、青年会議所の素晴らしい魅力を知ってもらわなければ単なる独り善がりの活動になってしまいます。そこでいかに魅力を発信できるかが鍵となりますが、現代においてSNSを活用するのはもちろんのこと、直接の会話によって伝えることをおろそかにしてはいけません。魅力を伝える際に忘れてはならないのは、自らの経験に基づいた物語を組み込むことです。顔と顔を合わせて言葉の温度に真実味を帯びさせることで共感が得られます。青年会議所はおかしな団体と揶揄されることもあり、活動に理解を得られないことがありますが、それは魅力を十分に伝えることができていないからです。まずは身近な人から自分だけの物語を基に魅力を伝え理解してもらい、そこから共感を波及させていきましょう。魅力が広く伝わり、行政や他団体にも活動の価値を知ってもらえれば、連携が生まれ互いに社会にとっての存在感を高めることができます。ひとが変わればまちが変わるように、私達も心を大切にして成長し、組織を進化させていくのです。

最後に

私は、この二度と無い人生において、40歳までの限られた貴重な時間を与えてくれたこの組織と素晴らしい仲間に感謝しています。青年会議所で過ごすこの時間はかけがえのないものであり、これからも私達の人生をより豊かなものにしていくことでしょう。
青年会議所は仕事をしながら、家庭を守りながらやることに優れた価値があり、活動の中で積み上げた自己修練の成果を各々の生活にフィードバックさせていくことができます。三者のバランスを保つことは容易いことではありませんが、誰かのために、まちのために動く心を持っている私達ならば必ず乗り越えることができるはずです。一人の人間として、一市民として、仕事も、家庭も、青年会議所も全部本気でやりましょう。本気でやればやるほど、失敗や回り道をしてしまうこともありますが、何も恐れることはありません。なぜなら、私達には素晴らしい仲間がいるからです。仲間と共に、この限られた時間を本気で生きていけば、無駄だと思うことも全て私達を成長に導く機会となります。

何もしなきゃ 昨日と同じ明日しか来ないよ。

hide(X JAPAN)

明るい豊かな社会の実現に向かって、持続可能な敦賀のまちを築き上げるために。
私達はやればできる。

基本理念

機会を創り、機会を掴み、仲間と共に成長し、本気で未来を明るくしよう。

基本方針

  1. 北陸新幹線敦賀開業を見据え、まちに必要となるものを見出す事業展開
  2. 青少年がまちを知り、誇りを持って生きていくための事業の展開
  3. 組織に好循環をもたらすために、新たな個性を持った会員を発掘する事業の展開
  4. 魅力を発信し共感を生み出すことで、青年会議所の存在価値を高める事業の展開
  5. 会員同士が絆を深めながら成長し、組織の魅力と会員の個性を輝かせる事業の展開
  6. 新型コロナウィルス感染症拡大防止を取り入れた事業計画
  7. 公益社団法人基準に則った事業の展開
  8. 行政、他団体とのさらなるパートナーシップの強化
  9. 日本JC、地区、ブロックへの支援連携並びに積極的な参加

委員会構成 2委員会 2局

機会創出委員会

北陸新幹線敦賀開業に向けて敦賀のまちに何が必要とされるのか、そして、近い将来を担っていく青少年がまちを知りまちに誇りを持つことができるのかを中長期的な視点で見出します。北陸新幹線敦賀開業は敦賀市にとって大きな転機となりえます。交通の便が良くなればまちは栄えると言われているものの、全国各地の新幹線駅を持つ全てのまちが栄えている訳ではなく、結局のところ訪れる目的が無ければ改札口を通過する人は増えません。現在、新幹線開業に向けて様々なインフラが整備されました。しかし、「新幹線が来ても敦賀には人が来ない」といった声が未だに多く聞こえるなか、インフラ整備だけで新幹線開業の効果が満たされるとは考えにくいです。市民に危機感が無いわけではありませんが、当事者意識を持っているのかと言われると疑問を感じます。本年は統一地方選挙が開催される年でもあり、新幹線開業が注目される中で敦賀のまちの方向性を決める重要な年となります。選挙を他人事とせず、新幹線開業を含むこれからのまちを創っていく上での意思表示の機会として関心を高め、まちづくりに対して当事者意識を持たなければなりません。そして、未来のまちを生きていくのは今の青少年達です。まちに誇りを持って未来のために行動を起こす人材となれるよう、青少年期から現状のまちを知ることで魅力に気付き、郷土愛を育むことで将来も住み暮らすまちをどう思い描くのか考える意識を醸成すべきです。新幹線開業を機会と捉え、これからのまちと青少年の関わりを掘り下げ、市民と共にまちの未来を明るく照らす事業を展開します。

会員拡大委員会

まだ見ぬ仲間に出会うために、会員拡大活動を舵取りし先頭に立って行動します。また、会員数減少の問題を解消していくために、LOM内交流を促し、総力を挙げて会員拡大に取り組む雰囲気を醸成します。さらに、新入会員に青年会議所の本質を伝える役目を担います。青年会議所の会員として活動できる期間は有限ですが、青年会議所は人と人とが繋がり市民の意識を変革していくために長期的な視点で運動を継続していかなければなりません。そのためには、その時代に合った輝く個性が必要になるため、会員拡大は組織にとって大きな意義を持っています。ひとつの特性である年齢制限は組織に好循環をもたらしますが、それは常に新しい仲間が加わり続けることが前提としてあります。毎年卒業する先輩と毎年入会する会員がいるからこそ、歴史を紡ぎながらも新たな価値観を取り入れて時代の変化に対応した魅力ある組織が形成されていきます。現代において、SNSを活用し広報を兼ねて会員拡大に繋げる方法も挙げられますが、より重要なのは直接の会話を用いて魅力を伝えることです。それもただ一方的に伝えるのではなく、伝え手の経験に基づいた物語を用いて分かり易く伝えて共感を生み出し、聞き手の人柄や会社での立場、家庭環境といった情報を読み取り、外側から見た率直な意見を受け止めることが大切です。お互いが通じ合うことによって新たな仲間を呼び寄せるのです。入会申込書に判を押してもらうことをゴールとせず、同じ未来を描く仲間をLOM一丸となって育み、輝く個性を調和させる事業を展開します。

事務局

組織運営の要として諸会議の設営や渉外、広報活動など多岐に渡る職務を担います。公益社団法人としての責任を果たすために、活動を陰で支える重要な存在であることを自覚することはもちろん、活動を勢いづけるためにも溌剌に職務を全うします。運営基盤としていち早く時代の変化に対応することも求められるため、Withコロナに対応しつつ、これから迎えるAfterコロナを見据えて組織を円滑に運営します。
 事務局次長には経験の浅い会員を配属して基本知識や活動の仕組みを学んでもらい、渉外活動や日本青年会議所、地区、ブロックの事業支援を行う中で、内外部の多くの人と触れ合う機会を提供します。経験の浅い会員に多くの職務に携わってもらいながら運営を担うという高いハードルを超えていく中で、青年会議所活動の魅力に触れて出会いやチームワークの大切さを学びます。また、SNSを活用して青年会議所の魅力と価値を多くの方に伝えていきます。

財政局

組織の金庫と社会秩序の番人として、会費運用を司り、透明性の高い財務諸表の作成と指導、財政バランスの調整、コンプライアンスの精査といった職務を一手に担います。会員自らの会費で活動をしている青年会議所において、公益社団法人としての責任と、社会に必要とされる存在で有り続けるために厳格な財政管理を行い、金銭を伴う活動の審査、指導と社会的信用を向上させて運営基盤を強化します。その中で、限りあるお金を決められたルールの範囲内でどのように運用すれば組織が円滑に運営されるのかを思慮することにより、組織とお金と信用の関わりを学びます。