公益社団法人敦賀青年会議所2024年度理事長所信 スローガン 報恩謝徳 第65代理事長 平本 瑞基

はじめに

2024年は北陸新幹線敦賀開業の年であり、敦賀にとって大きなチャンスがやってきます。100年に1度といわれるだけあって、このようなチャンスは中々巡ってきません。我々、敦賀青年会議所は1960年に敦賀の明るい豊かな社会を願い設立され、先輩諸兄の努力や関係各所からのご協力を賜り、63年間に亘って歩みを止める事無く活動して参りました。そして、敦賀にとって記念すべき歴史的な年に、敦賀の明るい豊かな社会を目指すまちづくりの組織として活動できる事はとても貴重な経験であり、人生においての財産となります。
私はこのタイミングに理事長の職を預かる者として大変有難く幸甚に存じます。これまで敦賀青年会議所を支えてこられた先輩諸兄や沢山の協力者、私のJC活動に理解を示し応援してくれる周りの方に感謝の心を持ち、理事長という職を通して何か少しでも恩返しができるよう活動していく所存です。また同時に、理事長という重責を担う事は自分自身への挑戦でもあります。メンバーの皆様にも記念すべき歴史的な年に現役メンバーとして活動できる事の喜びと感謝の心を持って頂き、この機会を起爆剤として捉え敦賀の更なる発展のために挑戦して参りましょう。

課題を解決することで真にまちから必要とされる組織となる

昨今、世界に目を向けると世界中を脅かした新型コロナウィルスの話題は収まったものの、今なお続く戦争や紛争に加え、中国による台湾侵攻も現実味を帯びるようなニュースを目にする事が増えてきました。我が国日本でも世界情勢に左右されかねない状況となり、戦争も他人事とは思えず沢山の課題が山積している状況です。そして、ここ敦賀市においても人口減少や若者の都市部への流出、原子力発電所の長期運転停止の影響によるものなど課題が山積しており、不安に苛まれることもしばしばです。しかし、いつの時代も課題はあり続け、誰かが世のため人のためとなり課題を解決してきました。このまちの課題を解決していく誰かが、まさしく我々、敦賀青年会議所でなければなりません。
我々は敦賀の明るい豊かな社会を目指すべく、日々活動に勤しんでいます。しかし、地域をより良くすることは決して簡単な事ではなく、各々が考える事業を本気で語りメンバー同士で意見をぶつけ合い、求められる事業とは何かを模索し突き進んでいます。これからもまちの現状を捉え、世間に自分たちが思い描く理想の姿を示し、実現させていくために本気で取り組んでいかなければなりません。それこそが我々の存在価値を高め、今以上に必要とされる組織にすることができるのです。

JCメンバーに求められる「まちづくり」と「ひとづくり」

我々JCメンバーは青年経済人として、また、子育て世代を多く抱える組織として活動しています。大人になった今こそ、生まれ育ち家庭を築き自身の事業を展開するこのまちに感謝の心を持ち、「まちづくり」と「ひとづくり」を通してまちの発展に寄与していきましょう。
青年経済人としてですが、先ずは自身の事業にしっかりと打ち込み、足元を固め、我々JCメンバーの企業に属する従業員やその家族がより幸せな生活をできる事から始まると考えます。その広がりによって親切心が溢れ愛を分け合い奉仕の気持ちが芽生える地域となり、地域社会の発展、まちづくりへと繋がるはずです。言い換えれば地域経済の牽引を求められており、我々青年経済人としての使命であるとも考えます。敦賀の明るい未来を目指し、経済の発展から幸せなまちを創り出しましょう。
そして、子育て世代が多く在籍する組織として、当事者意識の目線で青少年の育成に取り組んでいく事ができます。子供はいつの時代も社会の宝物であり、子供を産み育てていきたいと思う地域社会をつくり出し、これからの未来を守らなければなりません。子育て世代である我々が時代の変化に対応しながら、活動を続けていく事が必要です。

組織が成長し存続していくために

青年会議所の活動はメンバーの限られた時間と大切な会費を基に成り立ち、敦賀の明るい豊かな社会を願い、日々汗を流しています。私自身も家庭を持ち、会社を経営しながらJC活動に励んでいますが、普段では得る事の出来ない学びの機会をJCは与えてくれます。それは会員同士が大きな目標に向かって本気で議論を交わし、共に進んで行った先で手にする事ができます。今より一人でも多くのメンバーにJCの魅力や価値に気付いてもらう事は重要です。活動の価値を実感できたメンバー自身の成長は勿論の事、更なる組織の成長に繋がります。
そのような中、全国的に青年会議所の会員数は減少傾向にあり、この敦賀青年会議所にとっても会員数の減少は必ず解決しなければいけない課題の一つです。我々が在籍する青年会議所は40歳で卒業を迎えることから、会員を増やしていかなければ単に組織としての存続が困難となります。まだ見ぬ新しい仲間に入会していただく為には、我々の自信を持った活動を知ってもらい、会の知名度を上げ、会の運動に賛同していただく事が何よりも効果的であります。

結びに

私は入会から長らくの間、仕事関係の方や家族から「JC活動は程々にしておくべきだ」という、どちらかというと否定的な言葉をよく掛けられました。今でも少なからずそのような言葉を掛けられる事はありますが、振り返ってみれば理事長など勿論の事、重責にある役職を受ける事も考えられない状況でした。しかし、自分なりに愚直にJC活動を続け新たな役職に挑戦していくに連れて、いつしか周りからの見られ方も変わり、応援へと変わる声が増えていきました。
それは恐らく身近な方に対して、JC活動を通して成長した姿を見せる事ができたという裏付けだと思います。自分では気付かない事も多いと思いますが、本気で取り組み失敗を恐れず挑戦を続ければ知らず知らずのうちに成長し、周りもその成長した姿にきっと気付いてくれます。この組織はそのような機会を与えてくれる素晴らしい組織です。皆様も己の成長を信じて、これからのJC活動にも本気で取り組んで参りましょう。その結果、必ず敦賀の明るい豊かな社会の実現に一歩近付く事ができるはずです。

基本理念

志高く大きな夢を描き、失敗を恐れずに挑戦しよう

基本方針

  1. 北陸新幹線敦賀開業を活用した、まちにとって効果的な事業の展開
  2. 青少年がまちの魅力を知り、郷土愛が育まれる事業の展開
  3. 組織の成長と存続のために、JCの魅力が伝わる事業の展開
  4. 魅力を伝え賛同を得る事で、次代を担うJAYCEEを発掘する事業の展開
  5. 公益社団法人基準に則った事業の展開
  6. 行政、他団体とのさらなるパートナーシップの強化
  7. 日本JC、地区、ブロックへの支援連携並びに積極的な参加
  8. ブロック会長の輩出LOMとして、LOM一丸による活気付け

委員会構成 2委員会 2局

みらい共創委員会

北陸新幹線敦賀開業に向けて敦賀のまちに何が必要とされるのか、そして、近い将来を担っていく青少年がまちを知りまちに誇りを持つことができるのかを中長期的な視点で見出します。北陸新幹線敦賀開業は敦賀市にとって大きな転機となりえます。交通の便が良くなればまちは栄えると言われているものの、全国各地の新幹線駅を持つ全てのまちが栄えている訳ではなく、結局のところ訪れる目的が無ければ改札口を通過する人は増えません。現在、新幹線開業に向けて様々なインフラが整備されました。しかし、「新幹線が来ても敦賀には人が来ない」といった声が未だに多く聞こえるなか、インフラ整備だけで新幹線開業の効果が満たされるとは考えにくいです。市民に危機感が無いわけではありませんが、当事者意識を持っているのかと言われると疑問を感じます。本年は統一地方選挙が開催される年でもあり、新幹線開業が注目される中で敦賀のまちの方向性を決める重要な年となります。選挙を他人事とせず、新幹線開業を含むこれからのまちを創っていく上での意思表示の機会として関心を高め、まちづくりに対して当事者意識を持たなければなりません。そして、未来のまちを生きていくのは今の青少年達です。まちに誇りを持って未来のために行動を起こす人材となれるよう、青少年期から現状のまちを知ることで魅力に気付き、郷土愛を育むことで将来も住み暮らすまちをどう思い描くのか考える意識を醸成すべきです。新幹線開業を機会と捉え、これからのまちと青少年の関わりを掘り下げ、市民と共にまちの未来を明るく照らす事業を展開します。

会員拡大委員会

まだ見ぬ仲間に出会うために、会員拡大活動を舵取りし先頭に立って行動します。また、会員数減少の問題を解消していくために、LOM内交流を促し、総力を挙げて会員拡大に取り組む雰囲気を醸成します。さらに、新入会員に青年会議所の本質を伝える役目を担います。青年会議所の会員として活動できる期間は有限ですが、青年会議所は人と人とが繋がり市民の意識を変革していくために長期的な視点で運動を継続していかなければなりません。そのためには、その時代に合った輝く個性が必要になるため、会員拡大は組織にとって大きな意義を持っています。ひとつの特性である年齢制限は組織に好循環をもたらしますが、それは常に新しい仲間が加わり続けることが前提としてあります。毎年卒業する先輩と毎年入会する会員がいるからこそ、歴史を紡ぎながらも新たな価値観を取り入れて時代の変化に対応した魅力ある組織が形成されていきます。現代において、SNSを活用し広報を兼ねて会員拡大に繋げる方法も挙げられますが、より重要なのは直接の会話を用いて魅力を伝えることです。それもただ一方的に伝えるのではなく、伝え手の経験に基づいた物語を用いて分かり易く伝えて共感を生み出し、聞き手の人柄や会社での立場、家庭環境といった情報を読み取り、外側から見た率直な意見を受け止めることが大切です。お互いが通じ合うことによって新たな仲間を呼び寄せるのです。入会申込書に判を押してもらうことをゴールとせず、同じ未来を描く仲間をLOM一丸となって育み、輝く個性を調和させる事業を展開します。

事務局

2024年は北陸新幹線敦賀開業の年であり、敦賀にとって100年に1度といわれる大きなチャンスがやってきます。この大きなチャンスを活かすべく、我々のみならず行政をはじめ各種団体等が準備を行ってきましたが、果たしてやるべき事はやったと言える状況でしょうか。確かに新幹線が開業し終着駅効果も相まって敦賀をはじめ嶺南エリアに訪れる人は今よりも増える事が期待されますが、中長期的に見てその状況が続くかは不透明です。敦賀に魅力を感じてもらえなければリピーターになってもらう事も難しく、この先敦賀は乗換駅の役目しか果たさない事も考えられます。また、敦賀以西の事まで視野に入れると、その時代に新幹線を活用していくのは今の青少年達であり、青少年達にもまちを形成していくという当事者意識を持ってもらう事が必要です。そこで今年度は北陸新幹線敦賀開業を盛り上げるだけでなく開業後の実情を捉え、未来を見据えて青少年達も巻き込みながら、まちにとって効果的な事業を展開していきます。

会員拡大委員会

次代を担うJAYCEEを求めて、会員拡大委員会が率先して行動し全員拡大の機運を醸成します。青年会議所は40歳で卒業という特徴によって、毎年会員が入れ替わり、新たな仲間の個性を取り入れる事で時代の変化に対応し、その時々のニーズに応えていく事ができます。また、一人でも多くの会員がいる事で、発信する力も強くなり社会に大きな影響力をもたらす事ができます。
また、会員数の減少は大きな課題であり、どれだけ魅力のある組織であっても入会する会員より卒業を迎える会員や退会する会員の方が多くなってしまっては組織が存続する事もできません。入会候補者には魅力を伝え、青年会議所活動に賛同していただく事で入会へと繋げられるように努め、入会後も誠心誠意の対応で魅力を実感してもらえるようにしていきます。

事務局

我々の活動が円滑に進むかどうかは事務局にかかっていると言っても過言ではありません。総会や理事会が有意義な時間となるような空気を創り出すのも事務局に求められるものであり、組織の要として運営していきます。
また、例年の事務局の職務としてLOM内のみに留まらず様々な人や機会に触れ合う事が多くなります。前向きな姿勢で職務にあたり、沢山の気付きを得て、気付きを基に行動し、自身の学びとする事で経験の浅い会員も魅力を感じ、組織の更なる進化を目指します。

財政局

公益社団法人を名乗るうえで我々は責任を持った組織でなければなりません。コンプライアンスの精査、また、会費の使用用途が相応しく、透明性の高い財務状況にあるかなど金銭が伴う活動の審査や指導も行います。
外部からも信用され頼られる組織で在り続けるため、財政局はチェック機能を果たすべく、厳格な管理を行います。